AIエージェントに再試行を任せるなら、回数の上限を決めておく話
AIエージェントに仕事を任せるとき、失敗したら自動で再試行する仕組みは便利です。でも、回数を決めずに動かすのは危ない。うまくいかない原因が残ったまま、同じ操作を繰り返すだけになるからです。 再試行は、止まらないための仕組みではありません。小さな一時エラーから回復するための仕組みです。ここを分けて考えると、運用ルールが作りやすくなります。 失敗を繰り返しても改善にはならない たとえば、外部サービスからデータを取得する仕事を任せたとします。通信が一瞬途切れただけなら、少し待って再試行すれば成功することがあります。 一方、ログイン権限がない、入力項目が変わった、対象データが存在しない。こうした原因は、何度繰り返しても解消しません。実行回数とAPI利用料だけが増え、異常にも気づきにくくなります。 失敗した理由を見ずに繰り返すのは、改善ではなく放置です。 上限と待ち時間を一緒に決める 最初に決めたいのは、再試行の回数、次に試すまでの時間、すぐ止める条件の三つです。 通信エラーなら数分空けて二回まで試す。認証エラーや権限不足なら一度で止める。金額、公開、顧客への送信が関わる操作は、自動でやり直さず人へ渡す。この程度でも、無限に動き続ける状態は避けられます。 すべての失敗を一つのルールで扱わないことが大事なんですよね。 止まった理由を人に渡す 上限に達したら、失敗した事実だけでなく、対象、試した回数、最後のエラー、次に確認する場所を残します。担当者が最初から調べ直さずに済む情報です。 AIエージェントの価値は、何があっても動き続けることではありません。安全に止まり、必要な情報を人へ渡せることです。 まず一つの定期作業を選び、「何回で止めるか」と「止まったら誰に渡すか」を一行で決める。再試行を任せるのは、その後で十分です。